話にするほどでもないと思っていた、パンツの話をしようと思う。
わたしたちは必要になればパンツを買い、破れたり汚れたり、あるいは飽きたりしたら買い替える。でも「子どもの下着って、どのくらいの頻度で替える?」と聞かれると、意外とはっきり答えられない親御さんも多いのではないだろうか。ある下着メーカーの調査によると、8~9割の人が状態に関係なく平均3年間同じ下着を使い続けているという。一方で、メーカーは年に1回の入れ替えを推奨していたり。大人でさえ基準が曖昧なのだから、子どもの下着やパンツとなると“なんとなく”で済ませてしまっても不思議ではない。
正直に言えば、わたし自身も「まだ履けるなら問題ない」と思っていたタイプだ。毛玉があっても、少しほつれていても、「まだいける」と判断してしまうし、「履ける=サイズが合っている」と思い込んでいた。それは、わたし自身の“下着の原体験”が大きく影響しているのだと、今なら分かる。
わたしの中にあった「パンツの価値観」
小学生の頃、おしゃれ心はほぼゼロで、パンツや下着はただの生活用品。白いパンツが標準装備で、「買い替えるもの」という意識もなく、「母がいつの間にか補充してくれるもの」。それがわたしの中の“下着の常識”だった。
中学生になるとスポブラが加わり、かわいいパンツの存在も知るようになるが、基本は同じ。「与えられたものを履く」。サイズが少しきつくなっても、「まだ履ける=問題なし」。むしろ長く使っている安心感すらあった。
高校生になる頃には“ちゃんとした下着”に憧れが芽生え、初めて自分のお金で買ったアモスタイル(トリンプ)。上下セットは安くても5000円。学生のわたしにとっては大きな買い物で、「下着は贅沢品」「簡単に買い替えるものではない」という価値観が、わたしの中でしっかり固定されていった。
この価値観が、そのまま 子どものパンツ選びや下着の買い替え判断 にも影響していたのだと思う。
成長期に“サイズの合わないパンツ”を履き続けた結果
そんな感覚のまま成長期を過ごした結果、わたしはある現実と向き合うことになる。
それは―― 股関節の黒ずみ である。(笑)
今思えば、完全にサイズアウトしたパンツを履き続けていたのに、当時のわたしはそれに気づかなかった。太ももに力を入れると浮き上がる筋の部分に、パンツのゴムが常に食い込み、赤く跡が残り、少し痛みもあった。それでも「痛い=サイズが合っていない=替えるべき」とは考えず、「こういうものなんだ」と受け入れていた。
大げさではなく、
「不快を不快と認識できていなかった」 のだと思う。
そして、これは 今の子どもたちにも普通に起こりうること だ。
子どもは「不快」に気づけない。だから親が気づく必要がある
今、3歳児を育てていて強く感じていることがある。
それは、子どもは本当に“教えないと分からない” ということ。
挨拶の返し方も、正しい手洗いも、袖をまくらないと濡れることも、靴の裏が汚いことも、鼻を拭いた直後にまた触れば同じだということも、全部“誰かに教えられて初めて知る”。
そして恥ずかしながら、わたし自身が「正しいトイレの拭き方」を知ったのは中学生になってからだった。密室では、間違ったまま修正されず成長してしまうことがある。
下着・パンツのサイズ問題も、まさにこれと同じ だと思う。
子どもは、
- ちょっときつい
- ゴムが食い込む
- 跡が強く残る
こうした違和感を
「おかしい」「つらい」「サイズが合っていない」とは認識しない。
むしろ
「こういうもの」
「みんな同じ」
と受け入れてしまう。
だからこそ、子どものパンツや下着の違和感に気づいてあげるのは、大人の役割 だと思っている。
子どものパンツは“履ける=大丈夫”ではない
子どもの体は、大人が思う以上のスピードで成長する。
それでも下着は
- まだ履ける
- 破れていない
- 見えないからつい後回し
という理由で見過ごされやすい。
でも、サイズが合わない子どものパンツや下着は、黒ずみ・締め付け・不快感・皮膚トラブルの原因になる可能性がある。
そして何より、「不快な状態に気づかず過ごす」という経験は、体への感覚を鈍らせてしまうかもしれない。
今日からできる、やさしい「子どもの下着チェック」
特別なことをする必要はない。
ただ、ほんの少しだけ 子どもの下着・パンツのサイズ に意識を向けてみる。
✔ ゴムが深く食い込んでいないか
くっきり跡が残るならサイズアップのサイン。
✔ 跡がすぐ消えるかどうか
長く残るのは締め付けが強い可能性。
✔ 最近「痛い」「かゆい」を言っていないか
子どもは言葉にしない(できない)こともあるので、大人の目でフォロー。
これだけで、将来の黒ずみや不快感を防げるかもしれないし、何より
「あなたの体は大切だよ」
というメッセージを自然に伝えられる。
おわりに――見えない「子どもの下着」だからこそ、大事にしたい
これは、わたしの黒ずんだ股関節が身をもって教えてくれた、大切な育児の学びだ。
パンツや下着の話なんて、普段はなかなか語られない。でも、見えないものほど軽視されがちで、でも本当はとても大事。
それが、子どものパンツ問題 だと思っている。
今日この記事を読んでくれた誰かが、ふとこう思ってくれたら嬉しい。
「そういえば、最近子どものパンツサイズ、見ていなかったな。」
その小さな気づきが、きっと未来の体を守る一歩になる。
