「子どもは濃い味が好き」は本当?3歳まで薄味で育てたら育児がかなりラクになった話|管理栄養士ママの本音


0歳から2歳半まで「薄味育児」で過ごしたわが家の話

私が「薄味育児」を始めたのは、特別な教育方針があったからではありません。
私自身が薄味が好きで、そして管理栄養士として「素材が持っている味を大切にしたい」という気持ちがあり、その結果として自然にそうなった、という感覚に近いものです。

対象は第一子の長女。
離乳食開始から保育園に通い始める2歳半頃まで、基本的には“薄味寄り”の食生活で過ごしてきました。


薄味育児って具体的にどんな食事?わが家のリアル

わが家の食事は、とても普通です。
ごはん・汁物・主菜・副菜という“家庭ごはんの基本形”。

  • 主菜は大人と同じしっかりした味付け
  • 副菜は素材中心で安心できる味

人参、かぼちゃ、さつまいも、旬の青菜など甘みや旨味が出やすい野菜を中心に、蒸す・茹でる・低温でじっくり加熱して「調味料がなくてもおいしい状態」を意識していました。汁物はだし中心。味気ないわけではないけれど、必要以上に味を濃くしない、そんな距離感です。

子どもだけ別メニューを作らず、「同じ景色の食卓」を大切にしました。
温野菜中心なのでレンチンで済むことも多く、油が少ないから片付けもラク。外食もゼロではなく月1〜2回ほど。野菜が選べるお店やビュッフェを選び、「家庭の延長線にある食事」を大きく崩しすぎないようにしていました。


薄味育児のメリット:お菓子との距離感が自然に保てた

薄味育児のなかで「これは本当に助かった」と感じたのが、お菓子との距離感です。
わが家では おやつ=“甘いご褒美”ではなく“食事の延長” という位置づけでした。

  • きな粉+少量砂糖の食パン
  • さつまいも
  • 野菜入りのおやき

“刺激の強い甘さ”ではなく“自然な甘み”に触れる経験が中心だったので、

「ご飯よりお菓子!」
「お菓子じゃないとイヤ!」

という“お菓子バトル”がほとんど起こりませんでした。
無理に我慢させたわけでも、厳しく制限したわけでもなく、ただその世界をまだ知らなかっただけ。だから親も子どもも、とても平和でした。

今ではアンパンマンシリーズのお菓子(ビスケット・グミ・キャンディー・かりんとうなど)も楽しんでいます。でもまだチョコレートの世界は浅く、知っているのはクリスマスケーキやたまに食べるチョコチップパンくらい。
“お菓子の世界が少しずつ広がっていく”という自然なペース感は、親として安心できています。


「薄味=栄養不足じゃない?」に管理栄養士として答えます

好き嫌いはもちろんありましたが、
そんなときは醤油をほんの少し、塩を少し。
“標準装備”ではなく「最後の味方」として使うだけでスッと食べられることが多く、とても助けられました。

そしてよく聞かれるのがこれ。

「薄味だと栄養足りないんじゃない?」

結論から言うと、
主菜に肉や魚があり、主食・副菜が揃っていれば、自然と脂質も含め必要な栄養は摂れます。

だから、

  • 「油をもっと足さなきゃ」
  • 「調理用油が少ないと心配」

と無理に考えなくて大丈夫。
“バランスの良い食事”ができていれば、濃い味付けに頼る必要は自然と小さくなります。
これは薄味育児の大きな合理性だと思っています。


実は親にとってもラクだった。罪悪感からの解放

「ちゃんとしたものを作らなきゃ」
「今日は手抜きしてしまった」

そんな罪悪感から、かなり解放されていました。
だって、副菜はいつも手抜き。
むしろ “手抜き副菜が標準装備”がわが家の普通。

でもそれで、ちゃんと成立していたんです。
数日分まとめて常備しておけば回せるし、油汚れが少ないから片付けもラク。
食べることも作ることも、いい意味で力みすぎない食卓でした。


反省というより「今ならこうしたかも」

振り返ると、新しい食材との出会いはもう少し増やしてもよかったかな、と思う瞬間はあります。
慣れた野菜に偏りやすく、もっと“未知の食材”に触れる機会は作れたかもしれません。

でも今は3歳。
保育園という社会の中で世界が広がり、「これ食べたい」「あれも食べてみたい」がちゃんと育っています。
味覚も興味も、あとからでも十分伸びる。 いまはそう感じています。


「管理栄養士だからできるんでしょ?」と言われたくなくて

ママ友との会話でよく聞くのが、

「子どもって濃い味が好きだからね〜」

という言葉。
正直、この生活を話すと、少し“嫌味”に聞こえてしまいそうで、その場では「そうだよね〜」と笑って流すことが多いです。

「管理栄養士だからちゃんとしてるんでしょ?」
「管理栄養士だからできるんだよね」

そんな“管理栄養士フィルター”で見られたくない気持ちもありました。

でも本当は——
全然完璧じゃないし、むしろかなり手抜きです。

むしろ管理栄養士だからこそ、

  • 毎日完璧じゃなくていい
  • やりすぎない方が案外うまくいく

そう思っている部分があります。
頑張りすぎているママたちに、これを知ってほしい。


これから薄味育児を考えているママへ。私が大事にしてほしいこと

料理が得意ではない人。
ご飯バトルに疲れている人。
栄養のことで自分を責めがちな人。

そんな人ほど、薄味育児は合っていると思います。

そして私がいちばん推したいのは、
「スタートダッシュ」。

一度しっかり濃い味・調味料の世界を知ってから薄味に戻すのは、どうしてもハードルが高くなりがちです。
だからこそ、離乳食の延長として“やさしい味”の世界をそのまま広げていくのがおすすめ。

とりあえず、大根スティックやにんじんスティックをぽん、と出しておけばいい。
だって、その子にとってはそれが“ルーツ”だから。
今まで食べてきたやさしい味で、安心できる味。

無理して「大人の味」にレベルアップする必要なんてありません。
そういう味は、幼稚園や保育園、社会の中で自然と経験していきます。
(もちろん“園=濃い味”という意味ではなく、ただ“世界が広がる場所”という意味で。)


そして、これは“まだ途中経過の話”

ここまで書いておいてなんですが、これはあくまで長女の話です。
いま家には、離乳食真っ只中の0歳の弟がいます。

なんでも食べるお姉ちゃんの姿を横で見ながら育つ弟が、
これからどんな味覚・どんな“食との付き合い方”をしていくのかは、正直まだわかりません。

最近は逆に、3歳の姉が弟の離乳食を食べたがることもあって(笑)、
もしかしたら姉が弟に引っ張られて、また新しい世界が広がるのかもしれない。
育児って、「これで完成!」じゃなくて、今も続いていくものなんだなと感じています。


まとめ

  • 薄味育児=ガマンではなく「安心できる味を守ること」
  • 栄養は“食事のバランス”で十分補える
  • 親にとってもラクで、罪悪感が減る
  • 味覚はあとからでも十分育つ
  • 育児は still ongoing(進行形)

薄味育児は完璧な正解ではないけれど、
少なくともわが家にとっては「ちょうどよく、気持ちがラクになる選択」でした。

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