離乳食の情報って、正しいことを言っているはずなのに、「それを実際にやるお母さん」の姿まで想像されていないな…と感じることがあります。
特に、
- 「離乳食は基本“全部加熱”」
- 「この時期はこの“目安量”」
- 「ただし個人差があります。様子を見てください」
という一連の流れ。
間違っているとは思いません。
でも、それだけで本当にお母さんが安心できているのかな? と、私は何度も疑問に思ってきました。
私は管理栄養士であり、二児の母です。
ここでは、「全部加熱って本当に必要?」という話と、「目安量」や「個人差あります」とどう付き合うかについて、母親としての実感も含めて整理してみたいと思います。
離乳食の「全部加熱」に感じる違和感
離乳食ではよく、「必ず加熱」「生は避ける」と言われます。
もちろん、加熱自体には大切な意味があります。
ただ、私は一度こう思いました。
「全部加熱」って、そもそも何のためなんだろう?
整理すると、大きく3つの目的があります。
- アレルギーのリスクを少しでも下げたい
- 雑菌や食中毒への配慮
- 消化への配慮
本来はそれぞれ別の視点のはずなのに、
現場ではその全部がひとまとめにされてしまって、とりあえず全部加熱しておけば安心という形で終わってしまうことが多い気がしています。
ここに、私は引っかかりを感じていました。
フルーツも豆腐も納豆も。「全部同じ話」にしてほしくない
例えばフルーツ。
みかん・りんご・バナナ・桃などは、
皮をむくことで衛生リスクをかなり下げられる食材です。
一方で、
- りんご
- バナナ
- キウイ
こうした食材は特定原材料等28品目に含まれ、
アレルギーの視点が必要な食材でもあります。
つまり、
- “雑菌”の話と
- “アレルギー”の話と
- “消化”の話
これは本来、同じ土俵で語れないはずなんです。
それでも、「とにかく全部加熱」とひとまとめにされてしまう。
そこが、現実を生きている母親としてはしんどいところだと思っています。
同じように、豆腐や納豆についても
- 「絶対加熱」ではなく
- 安心材料として“加熱というカードを持っておく”
- 納豆なら、湯通しして糸をゆるめて扱いやすさ・食べやすさを整える
そんなふうに、「目的で考える」整理の仕方のほうが、現実の育児には合っていると感じます。
離乳食の目安量。「加熱前?加熱後?」問題
もうひとつモヤモヤしているのが「目安量」。
離乳食の本には、「この時期はこのくらいの量」と丁寧に書いてあります。
でもある日、ふと疑問が出ました。
これって“加熱前”の量?
それとも“加熱後”?
気になってかなり真面目に調べました。
そしてたどり着いた答えは、
「結局、どっちでもいい」
というもの。
もちろん背景はあるんだと思います。
でも、「ちゃんと知りたくて探しているお母さん」にとっては、あまりに不親切だなと感じました。
数字は提示されるのに、その数字との付き合い方は語られない。
私はそこに、ずっともやもやしていました。
「個人差があります」「様子を見てください」だけでは救われない理由
そして最後に必ず登場するこの言葉。
- 個人差があります
- 様子を見てください
もちろん正しいです。
本当に、個人差はあります。
でも問題は、
じゃあ、その“差”をどう見ればいいのか。
そこがほとんど説明されないこと。
私はそこで、何度も足が止まりました。
私が悩んだのは「よく食べる・欲しがる子」側の悩み
離乳食の悩みというと、「食べない」が注目されがちですが、
私が悩んだのはその逆でした。
「欲しがりすぎる」「どこまであげていいかわからない」問題。
- 食べすぎはよくないと言われる
- でも、食欲は尊重すべきとも言われる
- 満腹中枢は未熟だから親が調整、と言われる
- でも「吐いていないなら大丈夫」とも書かれている
どれも間違っていない。
でも、それを現実に落としたときの“具体”がない。
調べるほど不安になっていく感覚は、まさに“情報地獄”でした。
私がたどり着いた「現実的な判断軸」
最終的に私は、
数字だけではなく、体が出しているサインを見る。
という考え方に落ち着きました。
- 目安量の倍量にいっていないか
- うんちが明らかに緩すぎないか
- 消化不良が続いていないか
- 機嫌はどうか
- 嘔吐はないか
スプーンの本数ではなく、
“今の体”を見る。
完璧な正解ではなくても、
「とりあえずここを見ればいい」という軸が1つあるだけで、
私はかなりラクになりました。
本当はここまで書いてほしい
「個人差があります」と書くなら、
どう差を見ていけばいいかまで一緒に書いてほしい。
「様子を見てください」だけで終わらせるのではなく、
何を見るのか、どこを見るのかを言葉にしてほしい。
それが、本当の意味での優しさだと思っています。
私の結論|離乳食は“正解”より“迷い方”
離乳食は、「正しいことを守る作業」になってしまうと、本当に苦しくなります。
私は、
- 親が安心できること
- 子どもが心地よく食べられること
- 家族として現実的に続けられること
そのバランスの上にあるのが、いい離乳食だと思っています。
“正しいこと”だけではなく、
どう迷えばいいのかを一緒に考えてくれる情報が、もっと増えてほしい。
私はこれからも、
きれいごとじゃないけれど、否定でも押しつけでもない視点で、
このグレーな領域を書いていきたいと思っています。
